和尚(おしょう)になるために!Vol.1

お寺のこと

はじめに

私は曹洞宗のお坊さん(僧侶)です。曹洞宗の大本山と呼ばれるお寺は、福井県と神奈川県のそれぞれにあります。

  • 福井県の大本山永平寺(えいへいじ)
  • 神奈川県の大本山總持寺(そうじじ)

この2つのお寺が、私たち曹洞宗の大本山です。全国にいくつかある修行道場と比べても大きな道場であり、人数的にも多くの修行僧が日々修行に励むのが永平寺と總持寺です。

筆者(大本山永平寺にて)

瑞世とは何だろう

よくお寺のお坊さんのことを「和尚さん」と呼んでいる方に出会いますが、僧侶が和尚と呼ばれるようになるために必ずしなければならないのが「瑞世」です。「ずいせ」と読みます。瑞世というのは簡単に言うと、和尚・お寺の住職になるための登竜門です。
永平寺と總持寺の両本山にお参りして、儀式の中で与えられた役目を務めることになります。1日だけ大本山の住職として、朝のお勤めの導師となることです。

瑞世が終わって僧籍簿への登録などの事務手続きが済んで、初めて和尚の法階と、住職になる資格を得ることになります。

永平寺での瑞世

さて、先日は大本山の1つ、永平寺へと瑞世のためにお参りしました。現在は関東に住んでいる私は、福井県まで6時間くらいかけて車で向かいました。参道の麓にある駐車場に停めさせてもらい、永平寺の山門へと歩いて行きます。私は大学生の頃に観光で来た日以来の永平寺でしたので、僧侶となってから見る景色はまた違ったもののように感じました。

山門辺りにある石柱「杓底一残水 汲流千億人」と書かれている。

永平寺で一泊して、翌日の朝のお勤めで導師という役目をいただき、無事に終えることができました。前日にはしっかりと儀式中の動き方などを教えていただき、当日間違えないようにしなければという不安もありました。しかし、そのような不安よりも1日永平寺で導師を務めることへの責任を自覚し、1人の僧侶として責任を持って臨むことができたと思います。


次は總持寺へ

両本山への瑞世の順番は決まっておらず、私の場合は今回永平寺に先にお参りしました。次は神奈川県にある大本山總持寺にお参りして瑞世いたします。總持寺での瑞世が終われば、その後の事務手続きを経て住職になるための資格が得られます。そして「和尚」と呼ばれるようになります。

さて、總持寺での瑞世も無事にお勤めすることができるのでしょうか。また次の記事で報告いたします!

永平寺境内の様子
同じく、永平寺境内の様子

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